ご紹介している節税対策は、担当の税理士に相談してから実践しましょう。

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利益が増えた時に実践すべき節税対策

パソコンを操作する税理士の男性

 

事業で利益が増えた際は、節税対策をするべきです。
経費を増やすなどして利益(益金)を減らす手段が定番ですが、適当に経費を使うのではなく税制上の優遇制度を上手に活用することが大切です。

 

利益が増えた時に実践すべき節税対策をまとめました。

 

 

接待交際費・会議費

接待交際費は事業をする上で必要な接待費用で、飲食代の他にお歳暮やお中元、取引先を相手にした結婚式のご祝儀やお葬式の香典も計上可能です。
中小企業の場合は交際費課税の特例によって年間800万円以下もしくは飲食費用の50%を損金として経費計上できます。

 

また、1人あたり5,000円以下の飲食費については会議費として計上できます。
会議費は接待交際費の800万円枠から除外され、取引先を相手にしたものではなく、経営に必要な社内会議の飲食費も対象です。

 

 

人件費を増やす

人件費が増えれば必然的に会社や事業の利益が減ります。
ただし、会社の節税に繋がっても、個人所得に対する税金が増えるケースがあるので注意してください。

 

人件費を増やす方法は次の種類があります。

  • 役員報酬を増額する
  • 昇給(基本給を上げる)
  • 手当の新設、増額
  • 賞与を増やす
  • 特別賞与(決算賞与など)を出す
  • 家族を従業員にする

 

もっとも効果的なのは家族を従業員にすることです。
専業主婦や引退している親など収入がない家族を従業員の扱いにして、控除枠の範囲内で給料や報酬を出す方法があります。

 

人件費を増やす節税対策は弊害が発生しやすいので、税理士などの専門家へ相談しながら検討してください。

 

従業員の給料を増やした際の法人税が優遇される「所得拡大促進税制」という制度があるので、利益が増えた際は税理士と相談しながら社員・従業員への還元を検討してみましょう。

 

 

車やパソコンを買う

節税対策として購入された社用車

 

車やパソコンなど金額が大きいものは減価償却資産として複数年に分けて経費計上することが可能です。
買う物の種類によって減価償却期間が変わってきますが、上限の範囲内であれば短期的にまとめて経費計上することもできます。

 

 

共済や保険

退職金共済や事業者向けの損害保険は節税対策に加えて福利厚生やリスク回避に繋がります。
来期以降も継続して払える見込がない場合は慎重に検討してください。

 

個人事業主であればiDeCo(個人型確定拠出年金)の上限掛金が優遇されるなど、税制上の優遇を受けながら賢く節税することができます。

 

 

事業投資

従業員を増やす、広告費用を増やす、新拠点を設ける、業務効率化ツールや新設備を導入するなど、業種に応じて事業投資の方法は様々です。

 

成長する会社や事業は利益が増えたら事業規模を拡大させる。
そこからさらに売上や利益が伸びたら再度事業投資を行うことの繰り返しで成長していきます。

 

計画性を持たずに事業投資するのは危険ですが、維持費がかからない設備を導入するなど低リスクで行える事業投資もたくさんあります。

 

 

エンジェル税制の活用

エンジェル税制とは新たに起業する人や事業へ投資をした際に優遇を受けられる制度です。
起業して間もない中小企業が活用するケースは少ないですが、魅力を感じる投資話があった場合はエンジェル税制の詳細を確認してみてください。

 

 

 

必要経費の前倒し

今期だけ一時的に売上と利益が増えた場合は、必要経費の前倒しで効率的に節税対策できます。
会社が保有する資産の減価償却をするほか、月払いで払っていたものを年払いで払う方法や家賃の前払いをする方法があります。

 

 

福利厚生

福利厚生で社員旅行に来た男女

 

健康診断や社員旅行、優待サービスの加入など、従業員に還元される福利厚生を充実させる節税対策です。
ビジネスは優秀な人材を育てて定着させることが大切で、福利厚生の充実は長期的な利益へ繋がります

 

 

青色申告する

個人事業主として起業して白色申告をしている場合は、青色申告に挑戦しましょう。
青色申告すると控除額が最大65万円に増額され、経費や減価償却が認められやすくなります。(白色申告は10万円の控除)

 

会計ソフト利用料などの費用と手間がかかりますが、利益が出ている場合は所得税のほかに住民税と国民健康保険料が安くなるなど様々なメリットがあります。

 

 

まずは税理士へ相談しよう

事業の利益が増えたら、まずは税理士へ相談してみるとよいでしょう。
節税対策は税制上の優遇措置やルールを正しく理解して行うことが大切で、間違った節税対策をすると後から追徴課税を受けるリスクがあります。

 

個人事業主で起業して僅かな利益が出た程度であれば、青色申告や経費計上のみの対処で問題ありません。
相応の利益が出た場合は、法人成りすることを選択肢に入れてみてください。

 

既に会社の場合は、法人ならではの複雑な税制ルールを上手に活用できるように、プロ(税理士)からアドバイスを受けましょう。