業種・業界によっては個人事業ではなく法人設立がマストです。

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個人事業主か法人設立か

起業の方法を悩む男性

 

起業する際は個人事業主か法人設立か選ぶ必要があります。
業種や重視する項目によって最適な起業方法が変わってきますが、ポイントを整理すれば個人事業主と法人設立のどちらが良いのか明確に分かるケースが多いです。

 

 

理由がなければ個人事業主

個人事業主は起業する際の初期費用が少なく、税申告が法人よりも簡単なメリットがあります。
迷った時は個人事業主で起業した場合の弊害を考えてみてください。

 

法人にしないといけない理由がなければ、まずは個人事業主で開業するのがセオリーです。
一定の売上があがった場合は法人設立した方が税制上のメリットが大きくなることもありますが、税制面を重視する場合は個人事業主で開業して売上があがってから法人成りを検討しましょう。

 

 

法人成りする定番の形

個人事業主で開業して法人成りする理由は様々な理由がありますが、もっとも定番なのが(消費税)非課税事業者の恩恵を受ける理由で法人化することです。

 

消費税の課税業者になるルールは法人・個人事業主ともに共通で、2期前の課税売上高が1,000万円を超えていることです。
たとえば1期目で売上が1,000万円を超えた場合、3期目から消費税の課税業者になります。

 

消費税の課税ルールは原則として法人と個人事業主で別々にカウントされるルールがあるため、まずは個人事業主で開業して課税業者になるタイミングで法人成りをすれば合計4年間は非課税業者の恩恵を受けられる仕組みです。

 

税制面の優遇をフル活用するためにも、弊害がないのであれば個人事業主で起業するとよいでしょう。

 

法人設立しても開業直後6ヶ月間の売上と役員報酬など含む給与額がいずれも1,000万円を超えた場合は、1年間しか免税措置を受けられず2期目から課税業者になってしまいます。
また、消費税法第12条の2に記載されている「新設法人の納税義務の免除の特例」に該当した場合は、法人成りをしても1期目から課税業者になるケースがあります。

 

消費税の課税が理由で法人成りする場合は、事前に税理士などの専門家へ相談しておきましょう。

 

 

最初から法人で起業するケース

最初から法人設立で起業するよくある事例をまとめました。

 

不動産業

キッチンの説明をする女性

 

不動産業は高額な加盟金と厳しい審査を受けて何かしらの協会に入らないといけません
協会の会員資格や営業許可は個人事業主から法人へ引き継ぎできません。
そのため、不動産業は最初から法人設立する方法が定番です。

 

 

貸金業者

営業許可の審査が非常に厳しい業種です。
制度上は個人事業主でも開業できますが、貸金業者の99.9%以上は法人です。

 

法人としか契約してくれない

法人を相手に取引する業種は、個人事業主だと契約してもらえないケースが多いです。
法人設立でないと契約を取れないケースや、新規開拓営業を有利する目的で最初から法人設立するケースが多く見られます。

 

~よくある事例~

  • 大手宅配業者の下請(複数の個人委託ドライバーを抱える中間業者)
  • 運送業者
  • 大手製造メーカーの下請
  • 人材派遣会社
  • 建設会社(大きな現場に入る下請業者や中請業者)

 

 

法人の信用を重視

前項と内容が被りますが、法人は相応の資金力と継続意思がないと設立できないため、顧客などからの信用が高いです。
運営元の信用を重視される場合は、運営コストが高くても法人運営の信頼で得られる集客効果を重視するべきです。

 

~よくある事例~

  • 訪問営業
  • 電話営業
  • オフィス機器の販売、リース業
  • 情報商材販売
  • 多数の従業員を募集する事業

 

 

業種の動向をチェック

起業する業界のことを調べる男性

 

個人事業主か法人設立か迷っている際は、起業しようとしている業種の動向・業界事情をチェックしてみましょう。
個人事業主としてやっている小規模業者や個人親方・フリーランスがいる業界であれば、個人事業主での起業を選択肢に入れるべきです。

 

ただし、営業許可や実績の引き継ぎなどの問題から、個人事業主で開業した後に法人成りする弊害が出る業種は慎重に検討してください。
ある程度の売上・利益が出た場合は法人の方が税制面で有利になるケースがあり、従業員を増やす際も優秀な人材を確保しやすいです。

 

将来的に法人として運営するビジョンが明確な場合は、個人事業主として起業した場合の弊害を整理してみてください。